日本から海外旅行に行くとあえて日本食を食べようとは思わないものですが、海外生活も少し長くなるといつでも母国の味が恋しくなるものです。ラーメンで一服しつつもソーセージを食べ続けて飽きてしまった僕は、内陸の都市であるにもかかわらずベルリンでお寿司屋さんを訪ねたのでした。
訪ねたのは「一心 ISHIN」。ベルリン市内で4店舗を構える人気店だそうです。ガイドブック「地球の歩き方」によれば、「手頃な値段で、満足のいく寿司を食べられる店としてドイツ人にもベルリン在住の日本人に支持されている店」。たしかに200席以上を備え、店に入ったのは15時近くだったというのに客がそれなりに入っていました。ドイツ人が大半でしたが、中には日本人の姿もちらほら。
丼、せいろ、一品やらそこそこ豊富なバリュエーションのメニューに中から松(MATSU)セットを注文してみました。握り12貫、細巻き6切、太巻き4切、稲荷1つというボリューム満点のものです。これで15ユーロ(=約2,000円)、海外で食べる寿司としてはとてもリーズナブルです。
味は、決して美味しいとは言えませんが、食べられないといったものではなく、まあ及第点です。日本で例えると、持ち帰り寿司チェーンの「小僧寿しチェーン」程度の味をイメージするとぴったり当てはまるような気がします。あっさり目に味付けられたシャリは、少しネタと比べて大きいようにも思えましたが、大食の現地ドイツ人には丁度この位の方が良いかのもしれません。ネタはヨーロッパで見られるオーソドックスなもの。その中では欧州ほぼ全域どこでも美味しく食べられるサーモンがやはり1番でした。特に脂の乗ったハラスを少し炙ったものが秀逸。ホタテも甘くて旨かったです。残念だったのがトロの炙り。炙った後に鰻蒲焼のタレが塗られ、せっかくのマグロの味が損ねられていました。稲荷ももう少し甘味が強い方が個人的には好み。酢飯同様、シャリがやや薄めの味付けでした。
ところで、サイドメニューから注文したなめこ汁(セットには含まれませんでした)、出汁が効いていないものの久しぶりのなめこに喜んでいましたが、おかしかったのがレンゲが添えられて出てきたことです。スープだから使って飲んでも決して不思議ではないと頭では理解しつつも、思わず吹き出しそうになってしまったのでした。世界中で日本食を食べていますが、味噌汁とレンゲ(あるいはスプーン)の組み合わせ、実は初めての遭遇かもしれません。
「一心 ISHIN」。海外在住の日本人にとっては、値段を考えれば案外悪くありません。
一心 ISHIN
★★★
なめこ汁にレンゲ、ソーサ付きとは斬新!
レンゲ使ってみた?
お寿司にわさびが添えてあるけど、握りはさび抜きなの?
投稿情報: JUN | 2010-05-04 02:06
結構お手軽な価格で
お味は小僧寿し並みとはいっても
すごいボリュームだね!
盛り付けもなかなかきれい。
レンゲ付きのお味噌汁は
海外では時々見かけました。
果たしてこれを使わずに日本人がお椀からお味噌汁を啜るのは、あちらの方々にとってはむしろお上品ではなく見えるのかなと思うと不思議な思いに駆られるものです。
↓デゥッセルドルフが
日本食のレベルが高いところだとは知りませんでした、興味深い!!
投稿情報: hitsuji | 2010-05-04 11:07
>JUNちゃん
レンゲは使った後、違和感を覚えていつも通り箸で食べてしまいました。
海外の寿司は、基本さび抜きです。
添えられたワサビをといて、食べます。
苦手な外国人が結構多いからかなあ。
投稿情報: Shibuya | 2010-05-16 17:51
>hitsujiさん
そっか、今まであまり味噌汁+レンゲの組み合わせ見たことがないような気がしていたけれど、思い違いかなあ。
「Miso Soup」、あくまでもスープだから、スプーンで食べて然るべきと西洋人からすると思うよなあ。
投稿情報: Shibuya | 2010-05-16 17:54